【書評】「一切なりゆき 樹木希林のことば」モノを持たない生活とは
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樹木希林さんの名言集本「一切なりゆき 樹木希林のことば」が凄く心にささったので、本書の要約、感想を書きます。

樹木希林さんの名言や価値観はもちろん、樹木希林さんってどんな方だったんだろう?という方におすすめの本です。

わたしは20代の若輩者なので、正直、価値観を理解しずらいかもしれません。

しかし、人生を全うに生きた名女優である樹木さんから感性を学びたいと思い、読んでみることにしました。

「一切なりゆき 樹木希林のことば」はどんな本?

一切なりゆき 樹木希林のことばは、樹木さんのことばを集めた名言集です。

樹木さんがインタビューに応じた雑誌や出版書籍で語られた印象深いシーンをまとめてあり、この本一冊で樹木希林さんの人柄や考えが分かります。

わたしは樹木希林さんの作品をほとんど知らなかったのですが、本書を読んでいて樹木さんが本当に立派な大女優だったことはすぐに感じました。

一切なりゆきとは?

「一切なりゆき」とは樹木さんが生前に色紙に書いていたことば、「私の役者魂はね 一切なりゆき」から選びました、ということがまえがきに記してありました。

樹木希林さんらしい、美しい言葉に感じますね。

「一切なりゆき 樹木希林のことば」の内容

わたしはミニマリストを目指した生活をしているので、それに関連する内容をピックアップしていきます。

身軽に暮らしていくためのヒントになればと思います。

ミニマリストとは別世界の次元を感じさせる「シンプルな生活」でした。

モノを持たない、買わない生活

本書では出だしから樹木さんのモノを大切にする精神を学べました。

靴も昔から長靴を含めて3足と決めています。

洋服は自分で買ったものはほとんどなくて、お古を譲っていただいてそれをリメイクして着ています。

P.22

「長靴を入れて3足」というのは驚きですね。そして長靴は40年以上も使っていたそうです。

洋服や家具も買わずにお古を使う。もったいないというよりかは、ひとつのモノを大切に、大切に、しているように感じられる言葉も述べていました。

モノを最後まで使う

もともとケチだということもありますけど、一度使い始めたらそれをできるかぎり活かして最後まで使い切って終了させたいんです。「始末」ですね。

のちの記述にも書かれてありましたが、「十分に役目を果たして終わった」と思えるよう、とにかくものを最後まで使い切って始末する感覚だそうです。

この感覚を持つようになったのも病気になって命が限りあるものだと認識してから、深い言葉です。

モノがあるとモノに追いかけられます

モノにも情報にも溢れている現代にガツンとくる言葉です。

若い頃は安物買いの銭失いだったんですよ。でも、モノがあるとモノに追いかけられます。持たなければどれだけ頭がスッキリするか。片づけをする時間もあっという間。

P.24

樹木さんも最初からモノを持たない生活をしていたわけではないのが親近感が湧くところですね。モノを減らして手に入るのは「スッキリした頭と、片づけをする時間」です。

どんな素材でもそれが光る場所に置いて活かしたい

私は服やアクセサリーやインテイリアでも、これが好きだというような物がないんですよ。ただその物がある場所、置かれる場所、あるいは纏い方によって活かされるようにしたいと思うだけで、どんなに好きだと思っていても、それが活かされない場所にあったら、うっとしいでしょう。

P.45

本書を読んで樹木さんはひとつのモノに対してそれが一番活かされる場所をよく考えられていたんですね。

こちらまで身軽になった

私は不動産が好きで、家に対しては少なからず執着があって。ただ、その執着もル・コルビュジエが彼の好きな地中海を望む場所に、自分たち夫婦が住むための小さな小屋をつくったという話を聞いたとき、すとんと抜けたんです。

あれだけの建築家がやりたいことをやり尽くした末に辿り着いたというその小さな小屋を見たとき、こちらまで身軽になったというか・・・

P.47

「だから今は自分がこの世につないでいるあれこれの鎖を、欲望も含めて一つずつ外している感じですね」

ほんとうに大切で重要なものは小さなものかもしれない、と気づかされる言葉です。

不自由なものを受け入れその枠の中に自分を入れる

日常生活では手を抜くことがいちばん。そのためには徹底してものを増やさず無駄を出さない暮らしをしています。まず買わない。

…なるべく使うものを減らす。何かと何かを兼用できるとか一生懸命考えて、思いついたときにはもう最高に幸せ。

P.50

何でも便利なものが容易く手に入るこのご時世ですが、あえて不自由や非効率なことを選択してみると新たな発見がありそうですね。

またモノを減らして代用を楽しむ樹木さんは本当に幸せなんだなと感じられます。

それは依存症というものよ、あなた

「老い」や「死」に関するテーマの取材依頼がたくさん来たときのことです。

何も話すことなんてないんだから。死んだことがないからわからないのよ。

…私がこういう取材を受けるメリットはどこにあるの?えっ、私の話で救われる人がいるって?それは依存症というものよ、あなた。自分で考えてよ。

P.62

よく「〇〇さんならどうしますか」という質問がありますが、樹木さんに言わせれば自分で考えてよ!ということなんでしょう。

依存しないで自分の頭で考える、つい人に頼ってしまいがちなことですがとっても大事なことですね。

「もっと、もっと」という気持ちをなくすのです

病気になってからの心境を語っています。

「こんなはずではなかった」「もっとこうなるべきだ」という思いを一切なくす。自分を俯瞰して「今、こうしていられるのは大変ありがたいことだ、本来ありえないことだ」ち思うと、余分な要求がなくなり、すーっと心が楽になります。
もちろん人との比較はしません。

P.65

 

「一切なりゆき 樹木希林のことば」を読んだ感想

20代の今、感じたこと

一番感じたのは、やっぱりわたしは「乾けない世代」だなあと感じました。

モチベーション革命にもありましたが、生まれたときから何不自由ない環境で育ってきた「乾けない世代」のわたしには、モノに対しての扱いや有難みが樹木さんと全然違うなと思いました。

繰り返し読みたくなる本です。

どんなモノに対しても最後までしっかり向き合って使うことは忘れてはいけない感性ですよね。

また、樹木希林さんの感性はもったいない、ケチくさいとはまたどこか違って、品があるような感じがします。

今すぐにそれを習得するのはむずかしいですが、繰り返し本書を読んで今できることを意識していけたらと思いました。

まとめ:一切なりゆきから日常の幸せを学ぼう

本書は樹木希林さんの家族についてや仕事、病気についてもまとめられています。

今回紹介した言葉以外にも樹木さんの深い言葉を学べるので、興味のあるかたはぜひ手にとってみてもらいたいです。

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